理事長ごあいさつ|介護老人保健施設 リハビリテーション/デイケア/ショートステイ |アクアピア新百合 神奈川県川崎市麻生区

理事長ごあいさつ

開設の動機

医療法人社団 神緑会理事長
いしだクリニック院長
石田和彦

人は誰でも歳をとります。この「老化」という現象は誰も止めることのできない変化であり、人はこの現象に正面から立ち向かわなければならない運命を背負っています。そこには、個人差はあっても心身の機能が衰え、次第に他の人の介助・介護を必要とする時期がくるという現実があります。

しかし、最近の研究では、老化現象の早期の発見と適切な対処によって、いつまでも元気で生き生きとした自分らしい生活が可能であり、例え支援を必要とする状態であったとしても元気を取り戻すことができるという研究結果が報告されています。

「アクアピア新百合」では、この研究報告に少しでも近づけるよう、高齢者自身が真に求めている「自分の存在能力を生かした自分なりの生きがいのある充実した日々の生活を取り戻す」という目標を持っていただき、その目標に向かっての努力を応援していきます。また、この施設建設には、地域の方々の大変な御理解と御協力をいただいています。これらの地域の方々にも施設としての感謝の気持ちでお応えするため、地域に開かれた施設としての役割を果たしていきたいと考えています。

我々のモットー

アクアピア新百合は、次の基本理念でサービスを提供いたします。

  1. 子どもが親を大切にする精神で、介護に取り組みます。
  2. あなたのこころの理解者としてお話をよく聴く介護をこころがけます。
  3. 自分で選べる自由を尊重し、安心して我々に委ねてもらえる介護に努めます。

医療と介護が連携し、住み慣れた地域で新たな絆を結ぶ〜神緑会グループが目指す切れ目のないケア〜

2007年6月、麻生区黒川の地に介護老人保健施設「アクアピア新百合」を開設、7年目に入りました。「こころが動けば、からだが動く」という言葉を大切に、こころと身体の両面からご利用者様の立場にたっての介護に取り組んできました。

私たち神緑会グループの母体である「いしだクリニック」と「アクアピア新百合」が連携することで、住み慣れた地での「医療」と「介護」の「切れ目のないケア」を可能にしてきました。「いしだクリニック」が麻生区百合丘の地に誕生し22年、高齢化が進む中で、いしだクリニックでは、予防医療としての健診事業(新百合健康サポート倶楽部)をスタートさせ、通院が困難となった患者様のご自宅に往診する訪問診療や無料送迎サービスの実施、通院が困難となった患者様のご自宅で機能訓練士がリハビリを実施する訪問リハビリ事業が加わりました。さらに神緑会グループでは、居宅介護支援事業、訪問介護事業、訪問リハビリマッサージ事業を運営する「アクアピア百合丘」を運営しており、「医療」と「介護」が連携し、住み慣れた地での「切れ目のないケア」を目指しています。

2013年9月、「究極のアンチエイジング」をテーマに健康で、いきいきとトレーニングしていただく個別対応ジム「アクアピアサロン」を、いしだクリニックからほど近い百合丘3丁目に開設しました。皆様の身体機能における様々な状況にお応えし、皆様の健康増進・健康管理のお役に立てるよう「アクアピアサロン」はお客様との1対1の個別トレーニングを提供しています。

神緑会グループは、今後、日本の高齢化社会が抱える介護の課題に前向きに取り組んでまいります。「医療」「介護」そして「健康」が連携し、皆様が住み慣れた地域で安心していきいきと生活を送っていただけることが私たちの願いです。

2013年11月20日

献身的なスタッフと伴に介護に取り組んだ16年の軌跡

【老人保健施設 アクアピア新百合 開設10周年】

麻生区で開業して25年。2000年に介護保険制度が始まり、それを契機に介護にも積極的に取り組もうと決意しました。最初に、介護が必要な高齢者やハンディキャップを持った方々の世界を理解しようと、ケアマネジャー(以下ケアマネ)の資格を取り、さらに介護認定審査会の委員長も6年間務め、制度や行政の取り組みなどを勉強しました。川崎市の障害者施設【柿生学園】の嘱託医も経験し、多くの障害者やそれに関わる職員の苦労を知りました。また皆さんが長年過ごされ、かなり高齢者が多いのには驚きました。出産時の障害や先天的な病気のため小児期からハンディキャップを持って生活しています。学園の皆さんは、社会や家族からも閉ざされた環境にいますが、人懐こい心優しい高齢者ばかりです。柿生学園は介護施設と全く同じむしろ介護現場より厳しい環境かもしれません。職員の献身的な苦労を共に味わいました。

一方、日々の診療でも高齢化していく外来患者さんは、医療より介護を必要とするケースが増えてきます。タクシーで来院する患者さんが多くなり、そのため無料の送迎サービスを、通院が困難な患者さんには往診を始めました。また認知症を発症してくると、私のことも分からなくなる患者さんも出てきます。認知症の薬の投与だけでは患者さんを治療、支援することができません。むしろ介護サービスのほうが本人、家族にとっても重要になります。つまり医療と介護を同時に提供することが必要になってきます。診療と同時に介護相談を受け、ケアマネとの連携をとり、介護制度の説明や主治医の意見書を作成し患者さんに介護サービスの説明をしてきました。医師は介護制度には直接関われません。ケアマネが中心となりケアプランを作成して、利用者、家族の同意のもと介護サービスが始まります。一方医師の側は、ケアマネとの連携が大切ですが、お互いに仕事をしていますから、なかなかうまく都合がつきません。連絡を取り合うことがなかなか困難なのです。それではと、医療機関でもみなし制度として介護に関われることが分かり、介護部【メディケアいしだ】を13年前に創りました。介護担当の職員を採用し、私もケアプランを作り休憩時間には利用者宅を訪問し、ケアプランの説明や同意書の印鑑をもらうなどかなり忙しい毎日を送りました。翌年には介護職員がケアマネの資格を取ってくれ、クリニックの患者さんを中心に現在まで事業所は【アクアピア百合丘】と名前を変えましたが続いています。老老介護、独居老人が増えてくると、どうしても在宅介護だけでは支援できなくなる利用者がさらに出てきます。患者さんを継続して支えるためには、次には介護ができる施設がどうしても必要になってきます。そんな時、介護認定委員時代から関わっていた行政や関係者からも麻生区には「介護施設が足りないから造ってはどうか」と提案を受けました。色々な人たちのアドバイスや協力、川崎市からの補助金の援助もあり、その結果【介護老人保健施設:アクアピア新百合】を開設することができ、高齢で介護が必要になってくる患者さんもようやく最後まで診てあげられるようになりました。2007年6月18日(私の誕生日)に初めての利用者を受け入れ、今年で開設10年目を無事迎えることができました。アクアピア新百合では、積極的に在宅復帰を目指すリハビリを中心に取り組みながら、特別養護老人施設【特養】「終の棲家」と同じ利用である【看取り】制度も積極的に行っています。クリニックの患者さんも含めて最後まで看取ってあげた利用者は77名になりました。脳外科出身の小生は、片麻痺、失語症、高次脳機能障害、認知症など介護を必要とする患者さんを多く診療していましたので、シームレスに患者さんを支える自分の目指す医療と介護が連携した診療ができるようになりました。

老健【アクアピア新百合】の【理念】は、儒教の【仁】の心、【自分の親を介護するような思いやりの心】です。さらに【人生の終末期を感動のある毎日を過ごせる施設】にしたいと考え、【心が動けば体が動く】をモットーに【リハビリ・デイケア】の充実と思いやりのある優しい介護職員を育てたいと思いました。アクアピア新百合での【リハビリ・デイケア】の充実については、特に介護職員と理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による|惨集中個別リハビリ、⊇乎張螢魯咼蝓↓2雜醉祝謬’酬盈リハビリ、た綯罐螢魯咼、ゼ主運動トレ、脳トレΣ山變屠に力を入れています。開設時より、【音楽療法】は音楽療法士(音大卒業生)による専門的な指導で、利用者の五感に働きかけ活気のある楽しいリハビリです。週3日くらいから始めた音楽療法は、今では利用者からの希望が多く毎日行っています。毎日実施している施設は少なく、音楽療法の効果は、利用者の反応や表情に現れています。その指導は、声を出して歌を唄うだけではなく、体を動かす、ハイタッチをする、楽器を一緒に演奏する、分担して合奏するなどいろいろな動作を一緒に行う「ながら体操」で、運動の要素も入れた五感を刺激する【音楽療法】は、認知症にも非常に有効です。意欲にも働きかけ、回想法にもなり、我々が驚くくらい利用者が積極的に参加してくれています。さらに言語聴覚士による機能訓練では、言語訓練による失語症の改善や嚥下訓練により胃瘻の方が口から食べられる喜びを取り戻しています。

この理念のもと施設には、三つの工夫【水】【蔵】【食】をしました。【水】は「プール」と「池」と「井戸」です。大きな池には金魚が泳ぎ、その水は井戸から流れこんでいます。職員もその飼育になれ、今年も100匹以上の子供、孫が生まれました。池の掃除も必要ですが、それも利用者を交えての行事となっています。また井戸は、災害時、水道が使えなくなった場合の代用にもなります。【蔵】は大正時代に建てられ関東大震災でも倒壊しなかった立派な蔵です。囲炉裏を造り昔の懐かしい趣があります。回想療法などに利用し、高齢者にも昔を思い出す場所になっています。今ではビアガーデン、落語会、レコード鑑賞やカラオケパーティなどいろいろに使われています。【食】は健康に暮らす源で、利用者の最大の楽しみです。真空調理によるふっくらとしたおいしいメニューが提供できる設備を設けました。

三つの工夫の中では、特にプールの設置は大変でした。行政がはじめは認めてくれません。前例がない、利用者負担が増えるというのがその理由でした。様々な議論の末、リハビリ施設という考え方で許可が下りました。プールがあれば、足腰の弱った車いすや片麻痺の方々が、通常のフロアーでの訓練以外に水中でのリハビリもでき効果が上がります。その着想は川崎市の【ヨネッティ王禅寺】の流れるプールがヒントになりました。母が高齢で弱ってきていましたので、【水中リハビリ】のつもりで一緒に連れて行きました。そこでは高齢者の人々が懸命に流れるプールを逆行して歩いています。母も気に入ってくれ、ヘルパーさんとも出かけ、元気に歩けるようになりました。まさに【水中リハビリ】、【介護予防】です。母が元気になったという経験が費用を度外視してもプールを造ろうと小生に決断をさせました。施設内の面積で作れる大きさの3m×15mの少し浅いプールを造りました。現在までに大勢の人が利用され片麻痺の方でも、水中を歩くだけだはなく、泳ぐ人もいます。車いすの人もプールでは歩けます。自分で動ける、歩けるという経験は、皆さんにとっては感動する体験でした。自分の力で水中を歩けることに感動して涙する人もいました。我々もその姿をみて一緒に涙を禁じえませんでした。ここで少し謝らなければなりませんが、プールは保守管理、運営が大変で、現在その大規模修繕でしばらく休止中ですが、一刻も早い再開に向けて保守・改修中です。

さらに近年では、介護の施設でも医療ニーズの高い利用者が多くいます。誤嚥性肺炎、インフルエンザなど呼吸器感染症は、高齢者を介護している中で最も多くみられる死に至る疾患です。それにも対応できるように酸素の配管と吸引の設備を設けました。最初20室に設けましたが、その後その利用者が増え5室増やしました。また全館の共有スペースには加湿装置を冬場の感染症予防として設置してあります。アクアピア新百合は、軽度の肺炎、インフルエンザなどの呼吸器感染症には施設内で十分に対応できる施設です。

介護保険制度は、2000年開始時は、社会で介護を支えようと積極的に利用を進めました。自宅に他人が入るのを嫌がる高齢者が多い中、次第にその制度の意義が理解され利用者は増えてきています。その結果、現在では制度が充実していく中で、介護保険料負担が増えるに伴い、介護認定審査も以前より厳しくなってきています。行政も安定的に制度を維持、持続するために、軸足を【介護予防】に移してきています。我々も、在宅介護、施設介護と共に、介護予防にも力を入れて取り組んでいます。麻生区地域課題解決型事業(脳と体を鍛えて鎌倉旅行)を2年間、川崎市の介護予防事業【通所型複合プログラム事業】に昨年は取り組みました。3か月間(12回)ワンクールのロコモ予防運動を中心に、栄養改善、口腔機能向上を組み込んだプログラムを1年間に3回開催して、麻生区、地域包括センターとも連携して取り組みました。その事業は残念ながら1年間で終了しましたが、要介護にはならないけれどもう少し元気になりたい、足腰を強くして散歩にも行きたい、認知症を予防したいと積極的に人生を過ごしたいと考える人たちが地域には大勢います。現在、川崎市の通所型複合プログラム事業に取り組んだスタッフは【アクアピアサロン】として独立し、ロコモ予防運動を中心に元気になりたい高齢者の支援や地域のボランティア活動など、地域での【介護予防】を中心に活動しています。

介護保険制度をこれからも充実・維持・発展させるためにも、要介護にならない生活習慣や予防が大切です。運動する習慣をつけ、栄養改善や口腔機能を向上させ健康寿命を延ばす【アンチエイジングの時代】になってきていると思います。今後は、地域の医療機関の使命は、【健康】を維持、増進し、健康寿命を延ばす活動が重要であり、社会貢献につながると思います。

2016年6月18日